賢く確定申告!個人事業主・フリーランスのために10種類以上の控除をまとめて解説します!

前回、初めて確定申告される人向けに確定申告の基本的な部分を解説しました。

まだ読まれていない方は『個人事業主やフリーランス1年生!確定申告について学ぼう!』と合わせてご覧ください。

今回は確定申告をする上で、個人事業主やフリーランスの人が受けられる控除について解説します。

控除とは、所得から一定金額を差し引くことを言います。

会社員と違い個人事業主やフリーランスになると多くの控除が対象になります。

控除を活用することで、≪所得から一定金額を控除して税留津をかける課税所得を少なくする≫ことができます。

所得税は、事業所得を含むすべての収入(売上)から必要経費を差し引いた『課税所得』に対して税率をかけた金額ですので、課税所得が少なくなるということは納める税金も少なくなるということです!

なので、個人事業主やフリーランスの人は控除を有効活用して賢く確定申告をしましょう!

2021年(令和3年)の確定申告で改正されるものは改正後のもので解説しています。

この記事は約5分で読めます。

対象となる控除一覧

控除の種類は実にたくさんあります。

会社に勤めたことがある人なら馴染みの控除も出てきますが、自分で確定申告するとなるときちんと理解している人は意外に少ないと思います。

ここでは種類ごとに控除額や概要と一緒に解説していきます。

基礎控除

納税している全ての人が対象の控除で、控除額は最大で48万円になります。

配偶者控除

納税者の合計所得が1,000万円以下で配偶者の合計所得が48万円以下(給与収入103万円以下)の場合に対象になります。

控除額は配偶者の年齢が70歳以下であれば最大38万円、70歳以上であれば48万円となります。

配偶者特別控除

配偶者に48万円以上の所得があり配偶者控除を受けられない場合に適用され、配偶者の所得金額に応じて、一手の金額の所得控除が受けられます。

控除額の一覧はこちらから:配偶者特別控除|国税庁

扶養控除

配偶者以外の扶養親族がいる場合が対象になりますが扶養者の年齢で異なるので表で見てみましょう。

扶養者の年齢 一人当たりの控除額
16歳~18歳、23歳~69歳 38万円
19歳~22歳 63万円
70歳以上(同居している) 58万円
70歳以上(同居していない) 48万円

寡婦(寡夫)控除

配偶者と死別又は、離婚していて再婚していない人が対象で、男女で条件と控除額が異なります。

死別や離婚後に再婚していなければ条件を満たします。

基本的に控除額は27万円ですが、年間所得が500万円以下で生計を共にする扶養家族(子ども)がいる場合は35万円となります。

女性に比べ条件が少しシビアになります。

再婚していないことは一緒ですが、年間所得が500万円以下で生計を共にする扶養家族(子ども)がいないと控除の対象にはなりません。

条件を満たしていれば控除額は27万円となっています。

勤労学生控除

学校に通いながらアルバイトなどで所得を得ている学生が対象で、合計所得が75万円以下の場合で控除額は27万円になります。

医療費控除

納税者とその納税者と生計を一緒にする配偶者や扶養家族が年間で支払った医療費の一部が対象になります。

控除額の上限は200万円となっており、【医療費―保険金―所得金額×5%】もしくは、【医療費―保険金―10万円】のどちらか低い金額が控除額となります。

健康保険を利用して医療費を払っている場合は、後日役所などから医療費のお知らせが届きます。

薬局などで購入した医薬品の一部も対象になりますので、病院などの領収書と合わせて大切に保管しておきましょう。

社会保険料控除

国民年金や国民健康保険などの社会保険料が対象で、控除額は支払った社会保険料の全額になります。

国民健康保険の証明書は不要ですが、国民年金の方は年末にかけて控除証明書が届きますので確定申告を提出する際には合わせて提出しましょう。

生命保険料控除

年間で支払った生命保険、介護医療保険、個人年金の保険料が対象になります。

控除額はそれぞれ上限が4万円で、最高で12万円になります。

加入している保険会社から控除証明書が11月から順次届きますので合わせて提出しましょう。

地震保険料控除

マイホームなどで加入している地震保険の保険料の一部が対象になります。

控除額は上限5万円です。

寄附金控除

国や地方公共団体などへ支払った特定寄附金がある場合に対象になります。ふるさと納税もこれに該当します。

控除額は特定寄附金額から2,000円を差し引いた金額になります。また上限が設けられており所得金額の40%になります。

青色申告特別控除

青色申告で申告した人が対象になります。

控除額は帳簿の方法で異なり簡易簿記だと10万円、複式簿記だと55万円もしくは65万円になります。

そもそも青色申告するには事前の手続きと承認が必要になります。これが完了しないと青色申告出来ませんので注意してください。また65万円の控除のみ電子申告か電子帳簿保存を行う必要があります。

専従者控除

白色申告の人が、専従者に支払った費用の一部が対象になります。青色申告であれば専従者給与として全て経費に計上出来ます。

控除額は、配偶者で86万円・配偶者以外であれば1人につき50万円が上限になります。

配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除については、個人事業の専従者として給与を貰っている場合は控除対象外となりますので注意しましょう。

雑損控除

自然災害や盗難などで生じた損害が対象になります。条件として、生活に必要な資産が損害にあった場合のみが対象になります。

骨董品や美術品のような贅沢品は対象になりません。事業用の資産が損害にあった場合には経費として計上できます。

控除額は、【損失額―所得額×10%】もしくは【災害関連支出―5万円】ののどちらか高い金額が控除額になります。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済や確定拠出年金などの掛金すべてが控除額になります。

控除額に上限は設けられていませんが、共済や年金の掛金にはそれぞれ上限があります。

最後に

いかがでしたでしょうか?今回、解説したように控除と言ってもこれだけの種類があります。

自分であればどの控除が適用されるのか確認して、確定申告を行うことで最大限の≪節税≫をすることが出来ます。

今回は解説していませんが、マイホームを持たれている人であれば住宅ローン控除も対象になりますので適用期間ないであれば忘れずに申告しましょう。

始めて確定申告をするという人であれば会計ソフトを利用すると諸々の操作や作成も簡単に済みますので是非お試しください。

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