昨今、働き方改革も手伝い個人事業主・フリーランスや自営業の人も多くなってきました。
大手企業でもこれまで雇っていた従業員を個人事業主化したこともニュースになっていましたね。
個人事業主やフリーランスになると年間に自分がいくら稼いだのかは自分で申告しなくてはなりません。
これまで会社などに勤めていた際は、会社側で計算して毎年年末や年始に源泉徴収票を発行してもらっていたので問題ありませんでしたが、個人事業主やフリーランスの場合には確定申告が必要になります。※会社などに勤めていても確定申告が必要な場合があります。
これまですでに確定申告をしたことがある人であれば要領はつかめているかもしれませんが、やったことが無い人にしたらわからないことだらけですよね?
しかし確定申告は大事なのことで必ずやらなくてはいけないのでしっかり覚えておきましょう。
中には、税金の徴収につながるので正直に申告するのにあまり良いイメージを持たれていない人もいるかもしれませんが、確定申告をすることによって得られるメリットもあります。
そこで今回は初めて確定申告を行う個人事業主やフリーランス1年生の人向けに解説していきます。
この記事は約5分で読めます。
確定申告とは?
1年の間に生じた所得金額(売上や収入から経費を引いたもの)を集計して所得税、復興特別所得税を計算し、国に納めるべき税額を確定して申告する手続きのことを言います。
所得には複数の種類がありますが、確定申告はそのすべてに関する所得税額を計算する手続きになります。
申告する時期は毎年2月16日~3月15日(15日が土日祝日の場合は、次の営業日)までとされています。
住宅ローンの審査などにも提出する書類になりますので正確に作成し提出しましょう。
年末調整との違い
これまで会社などにお勤めされていた時は、月々のお給料やボーナスから所得税が天引きされていたかと思いますがそれを源泉徴収と言います。
そして最終的には年末にその年一年間の所得税の総額を保険料控除など色々な控除分を含めて計算し本来徴収すべき所得税額を確定させます。
その額とこれまでの源泉徴収額とを比較し過不足を調整するのが年末調整になります。
会社員でも年収が2,000万円以上であったり、自身で副業を営んでいて収入が2つ以上あり年間で20万円を超える場合などには自分で確定申告をする必要があります。
青色申告と白色申告
確定申告には青色申告と白色申告の2種類があり、個人事業主やフリーランスの人はどちらでも申告することができます。
以前は、確定申告書類の背景色に応じてこう呼ばれていましたが、今では用紙の色に違いはありません。では何が違うのか下の表をご覧ください。
青色申告(10万円控除) | 青色申告(55万円or65万円控除) | 白色申告 | |
事前申請の届け出 | 必要 | 必要 | 不要 |
記帳の方法 | 単式簿記(簡易) | 複式簿記(正規) | 単式簿記(簡易) |
確定申告書類 | 青色申告決算書
確定申告書B |
青色申告決算書
確定申告書B |
収支内訳書
確定申告書B |
青色申告は10万円控除と65万円控除と2つがあり、それぞれ帳簿づけの方法が異なります。
青色申告のメリット・デメリット
- 最大65万円の青色特別控除が受けられる
- 同一生計家族(専従者)へ支払う給与を経費にできる
- 赤字を3年間繰り越せる
- 30万円未満の固定資産を一括で経費計上出来る(少額減価償却資産の特例)
- 事前に申請が必要(個人事業の開業届と青色申告承認申請書、両方の提出が必須)
- 帳簿付けが面倒(55万円or65万円控除の場合、複式簿記での記帳)
- 確定申告時の提出書類が多い
- 原則、期限を過ぎての提出が認められない(コロナの際は延長された実績がある)
白色申告のメリット・デメリット
- 個人事業主の開業届でだけで良い
- 記帳が簡単(単式簿記)
- 青色申告に比べ手間がかからない
- 税制上のメリット(控除)が受けられない
- 赤字の繰り越しが出来ない
要は青色申告の特典が白色申告では受けられないと覚えておいてください!
届け出や申請を出すのが手間でないのであれば青色申告の方が圧倒的にメリットがあります。
ちなみに開業届は業務開始後1ヶ月以内、青色申告承認申請書は青色申告をしようとする年の3月15日までか、その年の1月16日以後に事業を開始した場合には事業開始の日から2ヶ月以内と期限が設けられていますので、青色申告を利用するのであれば早め早めに動きましょう。
どちらかが間に合わないと自動的に白色申告になってしまいます。
確定申告の必要書類
- 確定申告書B
確定申告書はAとBとの2種類がありますが、個人事業主やフリーランスの人はBになります。
- 収支内訳書または青色申告決算書
白色申告なら収支内訳書、青色申告なら青色申告決算書になります。
収支内訳書2枚の作成は比較的簡単に作成できますが、青色申告決算書は損益計算書1枚・損益内訳の記入書2枚・賃借対照表1枚の計4枚の作成が必要になります。
初めてでも無料でサポートしてくれますので、わからないことは遠慮せずに税務所などに聞きましょう。
最後に
今回は初めて確定申告をする人向けに基礎知識などについて解説しました。
提出の流れや提出方法、別途必要な書類については次回のコラムで細かく解説していきます。
自分が個人事業主やフリーランスとしてやっていく中で確定申告の重要性を少しでも理解してもらえれば、何も大変なことではないのでこれから頑張っていきましょう!
会社員などの確定申告についても別の機会に解説しますので、副業などで収入がある人はそちらをご覧ください。