住宅ローンを利用してマイホームを購入しようとするときに、希望している金額を融資してもらえれば何も問題はありません。
ですが、自分だけの年収では希望金額の融資は難しい・年齢的にも返済期間が短くなってしまうかもしれないと不安になっている方もいるのではないでしょうか?
もし自分一人で住宅ローンを組むのが不安なようであれば『親子ローン』を一度検討してみてはいかがでしょうか?
アルヒ株式会社が行った調査で、2018年度に【フラット35】を利用してマイホームを購入された方のおよそ21%つまり4~5人に1人は夫婦や親子などの2人の収入を合わせて住宅ローンの借入を行っています。
そこで今回は『親子ローン』のご紹介と、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
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親子ローンとは?
親子ローンには【親子ペアローン】と【親子リレーローン】の二つに分類されます。
【親子リレーローン】は親子二世代型ローンなんて呼ばれたりもします。
両方のローンの仕組みを理解してから検討していきましょう。
親子ペアローン
親子がそれぞれ住宅ローンを契約し住宅を購入する場合に利用します。ですので親と子で住宅ローンの契約は二本結ぶことになります。そのため、親と子それぞれに最初から住宅ローンの返済が発生します。
メリットとしては、収入合算することが出来るので、単独で借入をする場合よりも借入可能額を増額できることでしょう。
ただ、住宅ローンの契約が2本あるため諸費用など2重でコストが発生することはデメリットです。さらに途中でどちらかが働けなくなっても返済は待ってくれませんので、最悪のケースも想定し、シミュレーションをしていきましょう。
親子リレーローン
親子などの親族がペアで住宅ローンを組み、親から子へ2世代にわたって住宅ローンを返済していきます。親子ペアローンと違い、住宅ローンの契約は一本になります。
仕組みとしては、まず契約者である親がおる一定の年齢まで返済をします。そしてある一定の時期や年齢(多くは親が80歳になる時点など)から、後継者である子が残りの債務を支払うようになります。
「親が高齢で住宅ローンの審査が厳しい」「子世帯だけの返済では苦しい」といった場合などに利用されています。
メリットは、親が高齢であっても借入が出来る点や、子の年齢で借入期間を設定出来ることですね。
ただ、リレーローンを提供する金融機関が少ないのが難点ではあり、相談してもペアローンを勧められることが多々あります。
親子ローンにおける団体信用生命保険
親子ペアローンの場合
通常、住宅ローンの契約者が死亡した場合などに住宅ローンの残債がゼロになる保険だが、親が亡くなった場合は親の残債が、子が亡くなった場合は子の残債がゼロになる。なので、親が亡くなったとしても子の残債は対象外のため残債額に変わりはないです。
親子リレーローンの場合
ペアローンと違い契約が1本のため、団体信用生命保険に加入できるのはどちらか一人になります。高齢である親が加入するケースがほとんどですが、団体信用生命保険は加入者の満80歳の誕生にの属する月の末日で終了となります。その際に、子が当初の保証内容のまま加入申込することは出来るが、加入要件を満たしていることが前提条件になる。
どんな人に向いている?
一度、ここまで解説したことを表で確認してみましょう。
項 目 | 親子ペアローン | 親子リレーローン |
住宅ローンの契約数 | 親と子で2本 | 1 本 |
返 済 方 法 | それぞれが同時に返済 | 初めは親が返済し子に引き継ぐ |
団体信用生命保険の加入 | 親と子でそれぞれ加入 | 親か子どちからが加入 |
住宅ローン控除の適用 | 持分に応じ互いに適用可能 | 持分に応じ互いに適用可能 |
メリット | 変動金利・固定金利とで借り分けが可能 | 借入期間を長く設定できる |
デメリット | 諸費用が2人分発生する | 相続トラブルを招くことがある |
どちらが良いとは一概には言えませんね。では一体にどんな人に向いているのでしょうか?
親子ペアローンに向いている人
- 親子ともに継続的な収入があり、住宅ローン控除をフル活用したい
- それぞれが団体信用生命保険に加入し、生命保険の代用としたい
親子リレーローンに向いている人
- 単独では借入を希望する金額での住宅ローンを組むことが困難
- 親が高齢で長期での借入が困難、または住宅ローンを組むことさえ厳しい
どちらを利用するにしても親と子が協力して収入合算をすることにより、住宅ローンの借入可能額を増やすことが可能です。
将来的に同居を考えている方や、二世帯住宅を検討されている方などが利用されるケースが多いですね。ただ、それに限らず今までの物件選びよりも視野が広がることは間違いないですね。
利用される場合は自分たちの家庭に適したものはどちらなのか、よく話し合い判断しましょう。
最後に
いかがでしたか?色々な可能性が見えてきたのではないでしょうか?
単独で申込むのとは勝手が違いますので、わからないことは事前に担当に確認するか自分で必ず調べましょう。
理解せずに進めることだけはリスクですので絶対にやめましょう。
親子でお金のこと話しづらいという人も少なくないと思います。ですが、家族のことを思えばと互いに手を取りあっていきましょう!